HABU’S PHOTO GALLERY

HABU’S VOICE

シリーズ「空写真を極める」

3、かっこいいい空写真を撮るコツ

トークショーの仕事が続いて、空写真を撮るコツをずいぶん話しました。
デジタル時代になって、そのコツもずいぶんと変わってきたので、
ここらでVOICEに掲載しましょう。

フイルム時代使っていたフイルムはデイライトフィルムと呼ばれ、
太陽光に合わせた発色となっていました。
だから蛍光灯の下で撮ると緑色っぽくなったりしました。
だからそれを補正するために様々な色補正用のフィルターが売られていました。
デジタル時代になって光源に合わせたホワイトバランスを選択する事で
光源の違いによる、不自然な発色は防げるようになりました。
ホワイトバランスをカメラまかせのオートにしておけば
まず色転びのない、自然な色彩の写真が撮れます。

でも空写真はそれではだめなんです。
オートで撮っていると、せっかくの目にしみる青空も
ダイナミックな夕焼けも、雲のモコモコとしたディティールも
「そこそこ」に調整されて、見たままの空が撮れません。
だから、そこはフイルム時代と同じモードで撮ればいいのです。
それにはメーカーによって違いますが
「太陽光」や「晴天」といった、太陽を光源とするモードで撮る事です。
それによって見たままの鮮やかな青や茜色を撮ることができます。

ホワイトバランスを「曇り」や「日陰」に設定する事で
赤みや、黄色みを上げる事は、ちょっと写真が上手くなったように感じますが
サングラスをつけて風景を見ているようなものです。

すごい空に出会った時には、それをそのまま記録したい。
あえて誇張する必要はなくてそのままで、すごいのです。
何年か後にその写真を見て、あの日の感動を呼び起こしてくれるのは
加工されていない、そのままの写真だと思います。

僕は写真集を何冊も作っていますが
一冊の写真集に使う写真の撮影年代は様々です。
写真集全体のテーマが決まり写真セレクト作業が始まりますが
基本的に最近撮った写真から始まり、
30年前に撮った写真まで検討します。
それらを時代に関係なく組み合わせる事で
自分が伝えたいイメージを構築していきます。
だから過去も今も「発色」「空の色」は一定である事が望ましいと思います。

ホワイトバランスだけでなく、カメラにはピクチャーモードという
風景とか人物とか、何を撮りますかというモードもあります。
これは各メーカーでアプローチが微妙に違うので
実際に撮ってみて、何がかつてのフイルムと同じ感覚で撮れるのか
研究しながら使っています。
基本的には「風景」でいいみたいですが
フジではベルビアモード、PENTAXは雅を使ってます。
どれも比較的彩度が高く、コントラストが強いモードで
雲のモコモコとした立体感が出ます。

もうひとつ、今のオート露出のカメラでは、
露出(明るさの測り方)がカメラ任せで
白い雲がどれだけ画面を占めるかによって
その都度、露出が変わります。
だからオートまかせにするより
この露出で、このシャッタースピード、ISOはこれと
写る画像の明るさを事前に決めて撮るのがいいのですが
毎回それを考えるのはちょっと、ということで
オートブラケットという機能があります。

これは一回シャッターを押すと明るさの違う写真を3枚撮影できます。
±0.7または2/3段を設定する事で
一枚は思いどうりのな明るさで撮影することができます。
これは露出補正といってフイルム時代は面倒な作業でしたが、
デジタルカメラでは設定しておけば、毎回3枚の中からベストが選べます。

露出オートに設定せずマニュアルにして中心にになる露出を決め、
このオートブラケットを使えば、さらに精度はアップします。
ぜひ試してみてください。